DVの背後にある真実
- 権力と支配のサイクルを解明する -

 

DV(ドメスティックバイオレンス)の問題の根底には「権力と支配の問題」があります。

 

このことをわかりやすく言い換えると、

 

「DVが発生する背景には、加害者が被害者に対して権力を行使し、支配しようとする欲求がある」

 

ということです。

 

これは、パートナーや家族に対して物理的、精神的、経済的など、さまざまな形で力を使って自分の意志を押し付け、コントロールしようとする行動としてあらわれます。DVは単に怒りのコントロールができないというよりは、相手を支配下に置くことで自己の権力を確立しようとする意図が根本にあります。

 

なぜ、権力を行使して支配しようとする欲求があるのか?

加害者が被害者に対して権力を行使し、支配しようとする欲求がある理由は複雑で、個人の背景、心理的特性、社会文化的環境など、多様な要因に根差しています。

以下に、そのような欲求が生じる要因をいくつか挙げます。

個人の背景と心理的特性

過去の虐待経験

幼少期に親や他の大人から虐待を受けた経験がある人は、そのような行動を模倣する傾向があります。

虐待は「力が正義」という考えを植え付け、成人後の人間関係においてもそのパターンを繰り返す可能性があります。

自己価値感の低さ

自己価値感が低い人は、他者を支配することで自己の価値を高めようとすることがあります。

支配することで一時的に優越感やコントロール感を得るため、このパターンを繰り返す可能性があります。

感情のコントロールが苦手

感情を適切に表現する方法を学ばなかった人は、怒りや不満を暴力的な行動で表すことがあります。

社会文化的環境

ジェンダー役割の固定観念

特定の文化や社会では、男性が支配的であるべきという固定観念が根強く残っています。

これにより、男性が女性や子どもを支配することが「正常」と見なされる場合があります。

暴力の正当化

暴力が家庭内で正当化されたり、社会的に容認されたりする文化では、DVがより発生しやすい環境が形成されます。

支配欲求がある人とない人の違い

支配欲求がある人とない人の違いは、上記のような要因の影響を受ける程度にあります。人はそれぞれ異なる環境で育ち、異なる経験をします。自己価値感の育ち方、感情のコントロール方法を学ぶ機会、社会文化的背景などの違いが、この欲求の有無に影響を及ぼします。

 

暴力や支配のサイクルを断ち切るには、これらの根本的な要因に対処し、健全な関係性を築く方法を学ぶ必要があります。また、個人が自身の行動を自覚し、変化を望む意志が重要です。社会やコミュニティも、健全な人間関係のモデルを提供し、サポートする体制を整えることが必要です。

自己価値感が低い人は、
なぜ低いのか?

支配欲求の要因のひとつが「自己価値感の低さ」であると前述しましたが、ところでなぜ、自己価値感が低くなるのでしょうか?

自己価値感が低い人がそのように感じる理由は、多岐にわたります。幼少期の虐待経験が自己価値感に深刻な影響を与える可能性がありますが、それ以外にも多くの要因があります。親からの過度の期待や、無理やり習い事をさせられる、学校での成績圧力なども、子どもの自己価値感に影響を与える重要な要因です。

自己価値感が低くなる理由

過度の期待と圧力

子どもが自分の興味や能力に合わない活動を強制されたり、親や教師から非現実的な期待をかけられると、それらの期待に応えられないときに失敗者だと感じるようになります。これは、自己価値感を下げる大きな原因になります。

愛情と承認の条件付け

愛情や承認が成績や特定の行動に対してのみ与えられる場合、子どもは「自分自身が価値がある」という感覚よりも、「特定の条件を満たしたときのみ価値がある」と感じるようになります。これは成人してからも続き、自己価値感が低い状態を引き起こします。

親の無意識の期待

親が意識せずに子どもに対して持っている期待も、子どもの行動や選択に影響を与え、自己価値感に関わります。親自身の達成できなかった夢を子どもに託すことなどがこれにあたります。

支配欲求との関係

これらの経験は、成人後の対人関係における支配欲求と関係してくることがあります。

自己価値感が低い人は、他者を支配することで自らの価値を確認しようとすることがあります。また、自分自身がコントロールされた経験から、他者に対して同じような行動をとることで、安心感を求めたり、自己の優位性を確認しようとしたりします。

対処法

これらの問題に対処するためには、自己受容と自己理解を深めることが重要です。

カウンセリングやセラピーを通じて、自己価値感の低さの根源を探り、それを改善する方法を学ぶことが助けになります。

また、子育てにおいては、子ども自身の興味や能力に基づいた支援が重要であり、無条件の愛情と支持が子どもの健全な自己価値感の発達を促します。

支配欲求と
サディスティックの違いは?

ここまでの説明で「支配欲求とサディスティックの違い」が気になった方もいらっしゃるかもしれません。それについて説明します。

 

支配欲求は、他者に対するコントロールや影響力を行使しようとする欲求です。これは、対人関係や職場、家庭内での力のバランスに関わるもので、必ずしも暴力的である必要はありません。支配欲求は、セキュリティや自己の価値感を高めるため、あるいは不安を抑えるための手段としてあらわれることがあります。

 

サディスティックな傾向は、他人を苦しめることから快感を得る性質を指します。これには心理的または物理的な苦痛を他者に与えることにより、権力を感じたり満足感を得たりすることが含まれます。サディスティックな行動は、支配欲求が極端な形で表れる場合の一つと言えますが、必ずしもすべての支配的な行動がサディスティックであるわけではありません。

性格の違いや性別の違い
によるものでは?

「支配欲求の強さやサディスティックな傾向は性格の違いや性別の違いによるものでは?」と疑問に思った方もいらっしゃるはずです。その点について説明します。

 

性格に関しては、個人差が大きく、誰もがある程度異なる傾向を持っています。サディスティックな性格特性を持つ人は確かにいますが、これは一部の人に限られ、大多数の人は異なる性格特性を持っています。支配欲求は単に性格的な傾向以上のものであり、権力の不均衡や不平等な関係性の中で形成されることもあります。このような傾向は、個人が社会的な役割や期待にどのように反応し、それらを内面化するかによっても変わってくる可能性があります。

 

性別に関しては、社会的、文化的な要因が大きく影響します。多くの文化では、男性は強く、支配的であるべきだというステレオタイプが存在します。しかし、これは性別に基づく一般化であり、個々の人の性格や価値観は多様です。男性であっても、必ずしも支配欲求が強いわけではなく、女性にも支配欲求を持つ人はいます。支配欲求やサディスティックな傾向は、性別よりも個人の性格、育った環境、学んだ社会的価値観により影響されると考えるのが適切です。

 

支配欲求やサディスティックな傾向は、個々の心理的特性や経験、社会文化的背景に深く根ざしています。性格や性別だけでこれらの傾向を説明することは避けるべきで、より包括的な理解が必要です。

「健全な支配」はあるのか?

サディスティックとマゾヒスティックの関係を思い浮かべ、支配したがる者と支配されたがる者のある種の健全な支配関係も成立するのでは?と考えた方もいらっしゃるでしょう。その疑問について説明します。

 

「健全な支配」という表現は、通常の対人関係では用いられないことが多いですが、特定の文脈や関係性において、相互の同意と尊重の上で行われる支配的な行動が双方にとって満足感をもたらすことはあります。特に、信頼と同意に基づく成人間の関係性では、一方がもう一方を「支配する」ことが相互のニーズを満たし、関係を強化する場合があります。これは多くの場合、BDSM(※)といった性的嗜好の文脈で議論されます。

 

※BDSM⇒Bondage and Discipline (B&D): 「縛り (Bondage)」は、縄や手錠などを使用して身体的な制限を行うプラクティスです。「規律 (Discipline)」は、ルールや罰を設定することによって精神的なコントロールを行います。Dominance and Submission (D&S): 「支配 (Dominance)」は、パートナーに対するコントロールや権力の行使を意味し、「服従 (Submission)」は、その権力やコントロールを受け入れることを意味します。Sadism and Masochism (S&M): 「サディズム (Sadism)」は、他者に痛みや苦痛を与えることから快感を得ることを指し、「マゾヒズム (Masochism)」は、痛みや苦痛を受けることから快感を得ることを指します。

健全な支配の特徴

相互の同意

関係の両方の当事者が、関係の性質とその限界について明確に同意しています。

安全性

物理的、心理的な安全を確保するためのルールや安全策が設定されています。

尊重

当事者はお互いの欲求、限界、自尊心を尊重します。

コミュニケーション

開かれたコミュニケーションを通じて、ニーズや懸念事項が定期的に共有されます。

限界の認識

いつでも関係の性質を再評価し、必要に応じて調整することができます。

パートナーが支配されたがる場合

一部の人々は、パートナーシップにおいて支配されることを好み、これが心地よいパワーダイナミクスを作り出し、満足感や安心感をもたらすことがあります。

重要なのは、このような関係性が相互の同意と理解の上で成立しており、どちらの当事者にも害を与えないことです。この場合、「支配したい者」と「支配されたい者」は、彼らのニーズと欲求をお互いに満たし合っていると言えます。

しかし、このバランスを維持するには、高度なコミュニケーションと信頼が不可欠です。

「健全な支配」についての結論

「健全な支配」という概念は、特定の関係性の文脈でのみ健全と見なされます。

基本的には、どのような形の関係性でも、相互の尊重、信頼、そして明確な同意がその健全さを保証する鍵となります。相互の満足と安全を確保するためには、定期的なコミュニケーションと共感が必要です。

大切なこと

 

DV問題に対峙する際、その根底にある権力と支配の欲求を理解することは、解決への第一歩です。

 

加害者の心理背景には多くの場合、過去の虐待経験、自己価値感の低さ、感情のコントロールが苦手といった要因が関連しており、これらの要因は深く掘り下げて考察する必要があります。

 

また、社会文化的な環境もDVの発生に大きく影響を与えています。DVを取り巻く複雑なダイナミクスを理解し、支配欲求という根本的な問題に立ち向かうためには、教育、カウンセリング、そして社会全体のサポートが必要です。

 

支配と服従の関係を健全なものと見なすことができる文脈もありますが、その基盤には常に相互の尊重と同意があります。DV問題への理解を深め、被害者が安全で自立した生活を送れるよう支援を行うことが、私たち社会に課せられた責任です。

 

それでもDV・モラハラにお困りなら

SIAPROJECT代表の木村です。
あなたのお悩みを解決します。​

 

ホームページで公開している内容は、階段にたとえるなら一段目のようなものです。

 

最低限知っておいていただきたい内容だけを公開していて、“普通を超える内容”は公開していません。

 

二段目→三段目→……とステップアップしていくことで、DVやモラハラがしっかりと解消に向かうのですが、二段目以降は非公開で提供しています。

 

なぜ、二段目以降を(普通を超える内容を)非公開にしているのか? その理由は、普通ではない内容は一般の方に誤解されやすいですし、素人の方が下手に応用すると危険だからです。

 

今これを読んでいるあなたが加害者であっても被害者であっても、本気でDVやモラハラの改善に取り組む決意があるなら私がお手伝いします。

 

「普通ではないことをするから、普通ではない効果が出る」

 

この考え方に賛同できる方のみ、SIAPROJECTの有料サポート「エンパシーセッションプログラム」をご検討ください。エンパシーセッションプログラムは良い意味で普通のサポートではありませんので、普通に納得できる内容だけを求める方には他所のサポートをおすすめします。

 

今、DVやモラハラで悩んでいる方に特にお伝えしておきたいことは、知識だけではどうにもならない点もあることです。

 

DVやモラハラの発生パターンや改善方法がわかっても、実際に改善に向けて取り組んでいると心が折れそうになることもあるでしょう。DVやモラハラの改善では一時的に悪化することもありますし、絶望的な気分になってすべてをあきらめたくなることもあるはずです。

 

そんなときにプロのサポートを継続的に受けていると心の支えになり、間違った方向に行かずに済み、安定的にDV・モラハラの改善を進めることができます。プロのサポートを受けることには、そういったメリットがあることも覚えておいてください。

 

「DV・モラハラからの完全な脱却」は何年も継続してはじめて成功するものですし、一度おさまっても再び暴力的になることはよくあります。英会話スクールに申し込んで英語学習を確実に継続できるように自分を追いこむように、DV・モラハラ改善でもプロのサポートに申し込んでDVモラハラ改善を確実に継続できるように自分を追いこむことに価値があります。

 

継続を確実にするためにも、プロの力を借りることが重要です。ちょっとやそっとの勉強でDVやモラハラの改善に成功できると思っているなら大間違いですので、その点は甘くかんがえないように気をつけてください。

 

甘くかんがえないように注意していただきたい点は、一流の専門家の非公開知識と技術についてもです。

 

SIAPROJECTは10年以上活動していますが、代表の木村優一は365日休みなしで働いています。お盆休みもお正月休みもGWもなし。10年以上ずっとです。プライベートで旅行するときでも必ずノートパソコンとポケットWi-Fiを持ち歩き、旅先のホテルで必ず仕事します。暇さえあれば世界中から(特に欧米から)研究成果などを入手し、専門家として一流でありつづけるために日々学び、技術に磨きをかけています。

 

そうして日々、高みを目指していると、非公開の独自のノウハウも生まれます。「こうすればDVやモラハラが奇跡的に解消し、元通り以上の幸せなカップルになれるぞ!」とわかることもあり、それをSIAPROJECT内部(と言うより木村優一の頭のなか)に蓄積しているのです。

 

そのような非公開の独自のノウハウは、AI(人工知能)が学習していません。例えば、ChatGPTのようなものに質問しても、非公開のものまでは学習していないので出てこないのです。

 

もちろん、エンパシーセッションプログラムでは、そうした非公開の独自ノウハウもフル活用してサポートしています。詳しいことは話せませんが、AIが絶対できないサポートを提供しています。

 

一流の専門家のサポートが受けられるのは、今だけかもしれません。今は私(木村優一)がエンパシーセッションプログラムを行なっていますが、先ほど書いたとおり、私は10年以上ずっと休みなしで働いてきましたので、ある時点から弟子のような人達にまかせるかもしれません。そうなったら、私からのサポートは受けたくても受けられないことになります。

 

「ずっと休みなしで働いてきたから引退してのんびり過ごします。今後は弟子のサポートを受けてください」

 

とお知らせがあったら、そこでみなさんと私はお別れです(笑)。もちろん、弟子のような人達もがんばってくれると思いますが、私とは違うサポートになると思います。

 

今は、SIAPROJECT代表の私(木村優一)がエンパシーセッションプログラムを行なっています。(←この文章が消されていなければ、木村優一がサポートを提供しています)

 

いつまであるかわからないチャンスですので、エンパシーセッションプログラムへのお申込みを検討されている場合は、お早めのご検討をおすすめします。

 

 

 

関連するページのご紹介

こちらのページを読んだ方には、下記のページもよく読まれています。ぜひご一読ください。

お問合せフォームでお気軽にお問合せください

※セールス関連の電話が多いため、現在、お電話でのお問合わせは受付を停止しております。お問合わせはすべて、お問合わせフォームよりお願い致します。

050-3578-1050

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ・相談予約

050-3578-1050

※セールス関連の電話が多いため、現在、お電話でのお問合わせは受付を停止しております。お問合わせはすべて、下記のお問合わせフォームよりお願い致します。

フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。

新着情報・お知らせ

2024/4/8
2024/4/8
新しい記事を公開しました 
DV被害者のための自己肯定感向上日記ガイド
2024/4/8
新しい記事を公開しました 
DV被害者のための安全計画策定ガイド
2024/4/1
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の一部を改正する法律(令和5年法律第30号)が成立し、令和6年4月1日から施行されました。 
配偶者暴力防止法/内閣府男女共同参画局
2023/7/4
支払い方法をPayPalからのお振込みに一本化しました。
2023/6/29
2023/6/9
新しい記事を公開しました 
DVの後遺症を克服する方法
2023/6/4
新しい記事を公開しました 
DV被害者がDVに気づかないとき
2023/6/3
2023/6/1
新しい記事を公開しました 
DVのエスカレートを防ぐ方法
2023/5/24
2023/5/13
2022/10/13
エンパシーセッションプログラム(有料)の受付を再開しました
2022/09/09
DV・モラハラ改善プログラム(無料)の受付を再開しました
2022/08/19
よくあるご質問を掲載しました
2022/06/25
喜びの声を掲載しました
2022/05/03
ホームページを公開しました
2022/05/02
「サポートのご案内」ページを更新しました
2022/04/29
「概要情報」ページを作成しました

SIAPROJECT

住所

〒101-0032 
東京都千代田区岩本町3丁目11番8号